「キズを付けにくい洗車方法について」新車のシエンタに親水シルキーコースでガラスコーティング施工
新車のシエンタに親水シルキーコースでガラスコーティング施工をしました。
まずはボディに付着した土や砂、花粉、黄砂などをボディにキズを付けないように優しく撫でるような洗車で洗い流します。
一般的な洗車ですと皆さんスポンジを使用するのですが、スポンジは面が平らなのでボディの凹んだ箇所を洗うには凹みに合わせてスポンジを沿わそうとしてついついボディにスポンジを押し付けてしまいます。
これが洗車キズを付ける最大の要因になります。
洗車と言えばまず最初に高圧洗浄機の強力な水圧でボディの土や砂を飛ばすのですが、これで砂が全て落ち切ることはまずありません。
スポンジなどを使って洗車をする際に汚れたスポンジをバケツに入った水で洗いながら行いますが、洗車を終えてからバケツの水をそうっとこぼしたことはありませんか?
水をそうっとこぼすと必ずと言っていいほどバケツの底に砂が何粒もあることでしょう。
大小様々な砂粒がありますが、1㎜程度の小さなものから時には2~3㎜ほどの大きな砂粒がバケツの底に残っています。
つまりボディとスポンジの間にその砂粒があって、その砂粒が付いたスポンジでボディを擦るように洗っていたことになります。
スポンジを使ってどんなに優しく撫でるように滑らせてもボディが凹んでいる箇所は凹みに押し付けるように洗ってしまうので、砂粒付きのスポンジでキズが入ってしまうのです。
また、汚れた窓ガラスにスポンジを押し当てて左右に動かしながら車の中から観察すると汚れはスポンジの両端に溜まるのが分かります。
その時にスポンジの縁の部分は内側に折れ曲がり、ガラスを押し付ける形になります。
スポンジの両端に砂が溜まり、スポンジの角が折れ曲がり、戻ろうとバネのように反発するスポンジがその砂をガラスやボディに押し付けるのです。
とても柔らかいスポンジを使っても同じことです。
白やシルバーなど明るい車両ではキズが目立たないのでキズが付いていないように思われがちですが、キズが目立つドアのプラスチック製のピアノブラックのピラーやソリッド(メタリックが入っていない単色)の黒などではキズが入るのがよく分かります。
ですから洗車は高圧洗浄機で落とし切れなかった砂粒や鉄粉が付いている前提で洗う必要あります。
当店では指で触ると指先の指紋にも絡みつくような毛先が長い極細繊維のマイクロファイバークロスで撫でるように洗います。
押し付けて擦らなくても指紋にも絡みつくくらい細かな極細繊維が小さな砂粒にも引っ掛かりますから、ボディに張り付いた砂などを引っ掛けながら落としてくれます。
またこの時にザラザラとした感触が指先に伝わってきて何かが引っ掛かっているのが分かります。
何度か撫でていると少しずつザラザラとした感触が無くなってきます。
引っ掛かる感触が無くなればボディに付着していた粒々とした何かが取れたということになります。
衝撃を吸収してしまうスポンジではこのザラつく感触は分かりませんので、汚れが落ちたのか落ちていないのか分からないまま洗車をしていくことになります。
水で濡らしたマイクロファイバークロスの重みだけでボディを撫でているのでボディに加わる力は極わずかとなり、砂が付着した状態のマイクロファイバークロスでボディを滑らしても押し付けていないからキズが付くこともありません。
こんなことを書いてしまうと滅茶苦茶マニアックで神経質な店主でお客様もマニアックな方ばかりと勘違いされてしまいそうですが、まったくそんな事はありませんからね💦
寧ろ滅茶苦茶マニアックで神経質な方は大抵、無理難題や過剰な要求をされたりしますので当店は施工をお断りしています。
当店はごく一般的な普通の自動車オーナー様になるべくお手頃な料金でちゃんとした本当のガラスコーティングの施工で汚れにくい、洗車が楽になる、輝きが長持ちするといったメリットを提供したいと考えております。
なので、洗車に(それほど拘っているつもりはないのですが)拘っているように書いてしまったかと言うと
単純に洗車をして車が傷ついてしまうと【勿体ない】からです。
せっかくキレイな新車を買ったり、中古車や年数が経った愛車をコーティング施工でピッカピカでキレイなボディにしても間違った洗車の仕方で
【ボディをキレイにしようとして時間と労力を掛けて洗車キズを入れてしまう】方がとても多いのです。
ディーラーでも納車前にキレイにしようとして洗車をしておいてくれるのですが、その洗車でボディの表面に乗っていただけの砂や土などの目に付きやすい汚れを落としたとしても、塗装にキズが入ってしまったらそれは塗装を磨いて削らないと消せないし、深いキズだったら磨いて消すとなると塗装が薄くなり時には塗膜が無くなってしまいますから磨き切れずにキズが残ってしまいます。
キレイにしようとして本体にキズを付けてしまっては本末転倒だと思うのです。
メガネを掛けている方はメガネが汚れたら優しくそうっと拭くのに、その数十倍、数百倍は高い車は砂付きのスポンジでゴシゴシ擦って洗車キズをご自身で付けてしまっていたりします。
なんか【勿体ない】と思うんですよね。
洗車の話が長くなりましたので、ひとまずここまでにしておきます。
実演しながら口頭で説明をしたらもっと凄く簡単な話なのですが、文章で詳細を説明しようとすると長くなってしまいがちですね。
本当はこの後に頑固な汚れの落とし方や汚れの成分によって落とし方を変える話などがありますが、それは当店でコーティングを施工された方にお教えしています。
さて、洗車後は酸性の洗浄液でウロコを除去していきます。
写真の真ん中の辺り、ミラーの下に縦にプツプツと水が垂れた痕がウロコになっています。
ミラーなど筒状や箱状になっている箇所は内部に水が残りますから、水を拭き取った後から垂れてきて純水で洗車をしていないとこのように水が乾燥してウロコとなります。
グリル周りも同様にバンパーの裏側に水が張り付いて残りますから、後から垂れてきてウロコが付着します。
さらに今の季節は花粉や黄砂が堆積しますので、雨が降るとそれらの成分が溶け出してシミになってしまいます。
こちらはウロコでは無いので酸洗浄では落ちません。
花粉に含まれる糖分、ペクチンが雨で溶けて塗装に染み込み、乾燥すると収縮してこのような痕になります。
ペクチンは70度前後の熱で分解しますので、高温のスチーマーで熱して落とします。
落とし終えるとこんなにもスッキリします。気持ちが良いですね。
ウロコ落とし、花粉シミを除去したら磨きに入ります。
メーカーが製造した直後の新車のボディはとてもキレイです。
しかし、納車されるまでに何日も保管され、土や砂、花粉、黄砂、虫や鳥のフンなどがボディ表面に付着しますから、納車前に洗車をしますし、メーカーから受け入れ時にもボディの状態の確認の為に洗車がされます。
納車の時点で大抵は2回ほど洗車がされています。
その際にミネラルを含んでいる井戸水や工業用水で洗われてしまうとウロコが付きますし、ボディをゴシゴシと洗われてしまうと洗車キズが付いてしまいます。
最近ではウロコや洗車キズが酷く付いている新車はかなり少なくなってきましたが、数年前までは状態の良い新車なんてものは100台に1台あれば良いというほど、状態が酷い新車ばかりでした。
有難いことに最近では状態が良い新車が多くなってきていまして、今回の車は以前ならかなり状態の良い部類に入ります。
しかし、キズやウロコが付いている状態でも一般的な普通のお客様は納車される際に洗車キズやウロコにまず気が付かないですし、全体的にキレイならそのまま納車されても問題になることはまずありませんから、納車されたばかりの新車に洗車キズやウロコが付いていてもどうやらそれが普通の感覚で問題が無いんでしょうね。
私もこの仕事をするようになるまでは全く気にしたことがありませんでしたから。
洗車キズなどは当店のようにライトを当てて探さないと見つけることは出来ませんから気が付かなくても仕方がないことです。
気が付かないし、気にならないのであれば磨く必要もありません。
当店のライト親水シルキーコースは下地処理を簡略化していますのでその分、料金を下げています。
ガラスコーティング施工の料金が高くなる理由はせっかく長期間に渡り塗装の輝きを保護するコーティングを施工するのだから、下地処理をしっかりと行ってピッカピカでキレイなボディにする為にとても労力が掛かるからです。
だから下地処理をしっかりとしないで、磨きもしないでコーティングを塗るだけなら安くなるのが道理です。
しかし、世の中には15万や20万もするのに水拭きしただけでガラス成分が混じっているだけのポリマーレジンコーティングを塗って終わらせている時短のコーティング施工もありますからご注意ください。
当店で15万や20万もするコーティング施工の場合、2~4日掛けて施工します。
対して水拭きして、少しだけ磨いてコーティングを塗布する施工方法ではアルファードクラスのサイズでも3時間以内に終わらせることがほとんどです。
以前、私も下請けとして車屋さんの仕事をしていた時は一日に2~3台を施工しないとならないのでそんなやり方をしてました。
今回の親水シルキーコースは洗車とウロコ取り、花粉取りで2時間、磨きで2時間、コンパウンドの洗浄とコーティング施工と最終チェックで2時間ほど掛かっています。
洗車もウロコ取りも磨きもほとんどしない時短のコーティング施工ならアルファードクラスでも2台は施工が出来ます。
そんな施工で流石に20万も貰えないですし、貰いたくもないですから料金を付けるとしたらせいぜい3~5万といったところでしょうか。
さて、こちらのシエンタのボディには洗車キズはほとんどありませんでしたが、右側のスライドドアに何本か薄っすらとした洗車キズがありましたので、分かりやすくなるようにマスキングテープを貼ってみました。
幸いにしてキズが浅かったので、軽く磨いて消すことが出来ました。
このようにお客様が気が付かないであろうし、気にもされていないキズでも施工している私が気になってしまうので、なるべくキレイに仕上げるようにしています。
比較的、お手頃な料金で施工していますから最高の仕上がりとまでは当然いかないですが、お客様に喜んで笑顔になって貰いたくてお値段以上には仕上げているつもりです。
そんなこんなでようやく完成したシエンタがコチラです。
しっかりと手間を掛けていますから納車された時よりも更に輝きが増していると思います。
車を引き取りに見えたお客様にも喜んで頂けてコーティング屋冥利に尽きるってもんです(^^♪
元々が機械工学などを専攻しており設計や開発などをしていたのと真面目な性分なので、話をしたり文章を書くとしっかりと伝えようとしてついついクドくなりがちですが、お客様に楽しんで喜んで貰えるような接客を心掛けています。
もしもコーティングのことでお悩みでしたらお気軽に当店までご相談ください(^^)/