※長いです!ベンツ バネオ VANEO をリフレッシュしてプレミアム親水シルキーガラスコーティングを施工しました
メルセデスベンツのミニバン、バネオをリフレッシュしてプレミアム親水シルキーコースで親水ガラスコーティングとヘッドライトプロテクションフィルムを施工しました。
まずは持ち込まれた時の状態から見ていきましょう。
無数の洗車キズが付いており、ヘッドライトは若干、黄ばみが出ています。
ミラーの下には水が垂れてシミになった跡が付いています。
リアゲートの下、バンパーは平らになっているため、洗車後や雨の後に水が溜まり易いのでウロコやシミが付きやすいです。
洗車時に水道水や井戸水、工業用水を使ったあとに水分が残っていると水に溶け込んでいるカルシウムやマグネシウムといったミネラル成分が結晶化しウロコが付きます。お風呂の鏡がウロコを除去しても数日お風呂を使って鏡の水気を拭き取らずに自然乾燥させると直ぐにウロコだらけになるのと同じ理屈です。
また雨は本来、蒸留水なのでとてもキレイな水で水道水や井戸水などに含まれるウロコの原因となるカルシウムやマグネシウムといったミネラルなどを含まないのですが、大気中に舞っている粉じん(浮遊粒子状物質、SPM)は排ガス、工場の煙突からのスス、土壌からの鉱石や土など様々な物質を含むチリには多種多様な物質が含まれており、それらが車に少なからず必ずいつも降り積もっていますし、大気中にも舞っていますので、雨が降ればその粉じんを溶かしながら車に降り注ぎ、車に付着している粉じんも溶かし、その後、乾くと雨染みとなってしまいます。
ミネラル成分のウロコの場合、落とすには結晶化したミネラル成分を溶かすには強い酸性の洗浄液が必要(お酢やクエン酸溶液でも時間をかければ多少は落ちます)になりますが、雨染みや雨汚れの場合、(黄砂や採石場付近で付いてしまった粉じんでなければ)なるべく早く一般的なカーシャンプーを使って洗うか、水洗いでもある程度は落とすことが出来ます。特にガラスコーティングを施工した車両は水洗いでもかなりキレイに出来ることが多いです。
エンブレム周りも水が残りやすいため、雨染み、ウロコがしっかりと付着しています。
ひと通りボディの状態を把握したところで、作業に掛かります。
まずはボディに付着した簡単に落とせる砂や土、また付着している汚れを優しく洗って除去します。
撥水コーティングが施工されていたので、まずはこちらを落とします。
向かって右半分の撥水コーティングを落として親水状態になりました。
ボンネット全体を親水状態にして水をかけたら水の膜で洗車キズが隠せて超ピッカピカになりました。
つまり凸凹が残っていても薄い膜を張れば傷は見えなくなるということです。
ワックスやポリマーレジンコーティングはガラスコーティングよりも膜厚がありますので、ポリッシャーを使って手間をかけてわざわざ磨かなくても厚くワックスやポリマーを塗れば洗車キズはかなり目立たなくさせることが出来ます。
しかしワックスは熱で溶けやすく耐久性が低く、付着した汚れをワックスに取り込んでしまうため、夏場は毎月のように、それ以外では数か月に一度、半日ほどかけてワックスを洗い流して再び塗る作業が必要となります。
ポリマーレジンコーティングも市販品が数多くあり、使用されている方もかなり多いと思われますが、メリットとしては簡単に誰でもボディにツヤを出せて、ワックスほどではないですが多少洗車キズを隠すことができますし、ワックスよりも耐久性があります。
デメリットとしてはワックスのように簡単に洗い流せないので適当に洗ってしまって古いコーティングの上からポリマーレジンコーティングをしていまうことです。
またワックスもポリマーコーティングも洗車の際は表面のコーティングに汚れが密着し一体化しているので基本的にカーシャンプーで表面を溶かしながら洗う必要があります。
しっかりと古いコーティングを洗って落とさずに新しいコーティングを塗る作業を繰り返し行っていると汚れを残したまま新しいコーティングで覆ってしまったり、下の古い層から酸化劣化してボディが黄ばんだりします。
こちらの写真は市販のポリマーレジンコーティングを5年ほど掛け続けたハイエースのテールゲートの内側とバンパーです。
黒い塗装に白っぽく見える汚れがしっかりとこびり付いています。
マイクロファイバークロス越しに軽く爪で擦ってみたところ、何層にも塗られその後、酸化して黄ばんでしまったポリマーレジンコーティングがボロボロと剥がれてきました。白く見えていましたが実態は黄色いのです。
こちらのコーティング剤は濡れたボディにそのまま吹きかけて使える市販品でもかなりメジャーなメーカーの製品です。
洗車機によるワックス洗車やお店で1年ごとに行うポリマーレジンコーティング施工でも数年後に同様な状態になりがちです。
乾いたボディにコーティング剤を使用するのならまだ良いのですが、濡れたボディに使用するとポリマーが普段洗車では触れないようなところに流れ込んでしまい、乾燥して被膜を作ってしまうのでこのような事になります。
ボディは洗車をしますのでここまで酷いケースはあまりありませんが、たまに白しか設定がない車種なのに薄っすらとクリーム色になっている車両がありますが、大体コレが原因です。
この写真と同じ性質を持った成分をコーティングとして使っているのですから洗車で古いコーティングをしっかりと落とすことがとても重要になります。
ここまで厚く固まってしまうと強力な洗浄液でもなかなか歯が立ちません。洗浄液は表面から汚れを溶かしたり、汚れに浸潤して溶かすのですが、こうも固まってしまうとまず浸潤しません。
超強力なアルカリ性の洗浄液なら溶かせそうですが、あまり強力なアルカリだと今度は塗装を侵してしまい、白く変質させてしまうので使えません。
結局、様々な手法を使ってかなり苦労して落とす羽目になりました。
車の美しさ保持のため、時間を惜しまないマニアのような方でしたら是非、ワックスをお試しください。
ポリマーを使用するのなら1年耐久とかですと落とすのに非常に難儀しますので、1~3か月耐久程度の製品を使用して、ボディの水気を取ってから施工するのが良いでしょう。
しかし、休みの日にわざわざ洗車にそんなに時間を掛けたくないとか掛けられない、けれど車はなるべくキレイな状態に保ちたい、というのでしたら、ガラスコーティング施工をお勧めします。
ガラスコーティング施工した車両でしたら、軽く水洗いするだけでも、色が白やシルバーといった淡色車でしたら10~30分程度で終わる水拭きでもキレイに保つことができます。(時折りカーシャンプーを使用した洗車が必要です。)
ただし、間違った洗車をしてしまうとガラスコーティング施工車と言えど洗車キズは付きますし、ウロコが付着してしまいます。
その為、当店では施工時に簡単で短時間で済む正しい洗車の仕方をお教えしています。
決してマニア向けの時間が掛かって大変で面倒な洗車方法ではありませんのでご安心ください。
当店はマニア向けにも対応出来ますがマニア向けの専門店ではなく、出来ることなら車をキレイに保ちたいけれど、面倒なことや時間はあまり掛けたくない普通の方向けに一番向いていると思っています。
さて、水に濡れたままですと本当の状態が見えませんので水気を拭き取ってみました。
この状態が洗浄で汚れを落とし、撥水コーティングを剥がし終えたボディの姿です。
さらにウロコや細部に固着した汚れを酸洗浄で除去していきます。
ボンネットにはウロコ状のウロコはありませんでしたが、除去剤を塗るとミネラル成分に反応して白く変化したので、塗装全体に満遍なく染み込むように付着しているようです。
グリル周りは形状が複雑で洗車後に水が残り易いのでシミが沢山付着しています。
樹脂パーツに付着したウロコは最初は丸い形状をしていますが、洗車を続けていくうちに樹脂全体にウロコが付着し白っぽくなります。
それと併せて樹脂の経年劣化が進むことでさらに白っぽくなります。
酸洗浄することでボディのほうはスッキリしました。
樹脂パーツは樹脂が劣化し白化が進行しており見違えるほどにはなりませんでしたが、多少スッキリしました。
同様にロゴ周りやドアノブ周りも酸洗浄していきます。
ロゴ周り
ドアノブ周り
ルーフバー周り
このように汚れ落としの洗車から始まり、コーティング除去、ウロコ除去を数時間掛けて作業して磨きを始める前の下地処理を行います。
そして酸洗浄後、再び洗車を行うと・・・
コーティングを剥がし終えたときは親水状態だったボディが水を弾くようになりました。
実は親水状態に見えていたのは塗装面にまだ洗浄液や界面活性剤が残っていたからなのです。
濯ぎが甘いのでは?と思われるかもしれませんが、高圧洗浄機で純水を掛けてかなり濯いでもあの状態なのです。
強力なアルカリ石鹸や洗浄液が手に付いたとき、1分ほど水で濯いでもヌメヌメしたぬめりが落ちません。
アルカリ成分はタンパク質など有機物を分解しますので、有機物の汚れを溶かして落とせるのですが、皮膚も有機物ですからアルカリ洗剤は細胞を壊して染み込んでしまうからヌメリがいつまでも落ちないのです。
そんな時はクエン酸をひとつまみ取って手に塗り込んでアルカリ成分を酸で中和してから濯ぐと直ぐに落ちますからお試しください。
ボディも強力な酸洗浄でしつこく染み込んで残っていた洗浄成分や界面活性剤を中和したことで余計な成分が何も残らない無垢の状態になり、塗装が本来持っている撥水性が現れたのです。
また塗装が生きているとこのように水を弾く状態になります。
しかし、経年劣化が進み表面がボソボソになり多孔質のスポンジ状になってダメになってしまった塗装は水を弾くことが出来ません。
磨いて表面の劣化したところを取り除けば多少撥水性は復活しますが、そこまで劣化している場合、中のほうまで劣化が進んでいますので、しばらくすると再び塗装がボソボソになってきます。
水分を拭き取ると汚れやコーティング、ウロコといった塗装の表面の余計な付着物が取り除かれたことで洗車キズがよりハッキリと目立つようになりました。
これで洗浄による下準備は終わりです。
ここから磨いていきます。
アップで比較すると
こちらの車両は深い洗車キズがそれほど無かったのでかなりキレイな状態に仕上がりました。
ガソリンスタンドや洗車状、ディーラー、車屋さんでやっている洗車を見てみると、多くの方がスポンジを食器を洗うかのように押し付けてゴシゴシ洗っています。
そのように洗車をすると砂や固形物が付着していた場合、スポンジで擦られてそれらが取れたのち、押し付けられて洗車キズを付けてしまうことになります。
なので私はマイクロファイバークロスを使って優しく撫でるように洗車を行います。
優しく撫でたら汚れが落ちない、と思われるかもしれませんが、塗装を傷を付けるよりははるかにマシです。
優しく撫でて落ちない汚れはその洗浄液では溶かせない汚れですので、洗浄液をより強い成分の物に変えたり、違う成分、性質の物に変えて極力溶かして落とすようにします。
もしスポンジを使うのであれば、水を含んで重くなりがちですから押さえつけるのではなくて、むしろ浮かすように当てて優しく撫でるようにしてください。
バンパーの擦り傷を磨いて落としました。
こちらの傷はサーっと擦られて見た目は酷い状態ですが、洗車キズよりも浅いキズでしたので比較的、簡単に見えなくなりました。
リアゲートの上のハイマウントストップランプ付近の磨きです。
洗車キズが見えなくなり白っぽかったボディが本来の色に戻りました。
通常はしないのですが、ハイマウントストップランプのカバー内に土が大量に入っていて気になったので、外して洗浄しました。
今度はヘッドライトのプロテクションフィルムを貼る前に薄っすらと黄ばんでしまったヘッドライトのコーティングを磨いて剥がしていきます。
パッと見はそれほど酷くはないのですが・・・
良く見てみると薄っすらと黄ばんでしまっています。
磨き終えてかなりクリアになりました。
結露などで内側がくすんでしまった場合はどうすることも出来ませんので、内部の汚れが酷い場合には新品、もしくは程度の良い中古品に交換されることをお勧めします。
ヘッドライトにプロテクションフィルムを貼り終え、ボディ全体を磨き終えたら洗車を行って付着したコンパウンドのカスなどを取り除き、しっかりと水分を除去したら親水ガラスコーティング剤を吹き付けます。
半乾燥させたのちに余剰分を拭き取ってようやく完成です!
くすんでしまっていたボディがピカピカに輝くようになりました。
今回のお車は中古車で探し回って購入されたとのことで、キレイになったお車を見てお客様にとても喜んでもらえて当店としても大変嬉しい限りです。
新車で購入して年数が経ち、まだまだ乗れるのにボディがくすんで切ない、中古車で買ったけどパリッと輝くボディにしたいといったお悩みがありましたら、是非、当店にご相談ください。
出来る限りキレイにリフレッシュさせて頂きます。