ワックス洗車をされてしまった新車のノートに親水シルキーコースでガラスコーティング施工

ワックス洗車をされてしまった新車のノートに親水シルキーコースでガラスコーティング施工

ワックス洗車をされてしまった新車のノートに親水シルキーコースでガラスコーティングを施工しました。

ガラスコーティングは油分の上からでは塗装に乗らないので、コーティングを施工する前には必ず脱脂洗浄が必須です。
通常ならワックスやポリマーといった油脂類はボディに付着していませんので、洗車をして酸でウロコを除去し、磨いて脱脂洗浄してコーティングに入れます。

しかしワックスやポリマーがボディに付着していると、コーティングが乗りませんし、酸ではワックスなどは除去できないので、ワックスの下にあるウロコの除去も出来ません。

だから洗車後にワックスを剥がす工程が必要になります。
当然、時間を手間も掛かりますから費用が発生します。

お客様がウッカリご自身で施工されたのならお客様に請求しますが、今回はディーラーが納車前に行っていたのでディーラーの担当者に話をしたのですが、ディーラー側に過失は無いとの認識でしたのでお客様に請求しお客様側からディーラーとお話して貰うことになりました。

本来なら新車そのものを購入したのですからワックス洗車などはお客様の希望を聞いてから行うのが当たり前のことです。

ただ、世間一般のコーティング施工をよく知らない人からすればワックスが掛かっていてピカピカに見えて撥水してれば、なんかよく分からないけど状態がよく見えるからしてくれてありがとうとなってしまいがちです。

実際、私たちがもし新車にワックスを掛けるとしたら、汚れにくくする為などのメリットもありますが、主に汚れやキズなどのクスミを見えなくさせる、つまり誤魔化す為に行います。

ディーラーが下取りで仕入れた中古車を磨くのを過去にしていたのですが、とにかく安く短時間で小綺麗にしてくれてと頼まれるので、洗車ではなくて砂や土を落とす程度に簡単な水拭きをしてから軽く磨き、膜厚が厚いポリマーやワックスを塗ることでツヤツヤに見せたりしてました。

パッと見を綺麗にするならワックスが一番です。
しかし固形のワックスは塗るのが大変ですから、ディーラーなどでは洗車しながらワックスができるシャンプーワックスを使います。
リンスインシャンプーみたいなものですね。

ボディ全体に掛ければ窓ガラスも撥水するようになるので普通のお客さんなら大喜びしてくれます。

しかしボディの隙間にもワックスがはいりこみますので、ドアの内側などにもワックスが付着することになります。

ワックスやポリマーは有機物なので数年経つと酸化劣化して黄ばんだりクリーム色になってきます。
洗車機でワックス洗車を繰り返しして何年か経過した車は大抵ドア内が薄っすらとクリーム色になっています。
しっかりと固着しているので強アルカリ洗浄液でも落とすのは難しいです。

このようにワックス洗車にはデメリットもあるのです。
特にこれからコーティング施工をしようとしている新車に掛けられてはたまったものじゃありません。

強めのアルカリ洗浄液でしっかりと洗い流してから酸でウロコ除去を行い、洗車キズや磨きキズが少しありましたので磨いてピッカピカ✨なボディにしてからコーティングを施工して、お客様にはとても喜んで頂けました。

写真は左側がワックスが掛かっている状態で、右側がワックスを落としたあとです。

全て剥がし終えると水玉が無くなりました。

屋根の右半分のワックスを剥がしました。

お次は酸洗浄でウロコを溶かして落とします。

トランクの内側などはどんなに水拭きをしてもボディの隙間やゴムの縁から水が垂れてきますので、ウロコが付着しがちです。

こちらはドアのピラー部分に付いたウロコです。

ボンネットにはキズを消そうとして磨いた磨きキズが付いていましたので、磨き直してどこにキズがあったのか分からないくらいにしました。

屋根には保護シートを剥がした際にシートの糊が残っていたのでシリコンオフで溶かして除去しました。

こうした下地処理を行ってピッカピカなボディにしてからコーティング施工を行い、完成です。

最近、ワックスやポリマーが施工された新車の入庫が急に増えています。

ディーラーの本社には整備課などの部署があるのですが、どこかの洗車用品のメーカーがワックス入りシャンプーの営業を掛けているのかもしれません。

ワックスを掛けておくことで塗装が守られるとかキレイに見えるといったメリットもありますが、デメリットもしっかりとあるので、お客様からのご要望があればワックス洗車をすれば良いと思うのですが、恐らく何かしらの会社の思惑があって態々、手間を掛けて余分な納車前のワックス洗車をしているんじゃないかと邪推してしまいます。

そんな余計なコストを掛けられるのなら、寧ろ井戸水や工業用水で洗車をするのを止めて、ウロコが付かない純水洗車をして欲しいものです。

純水装置はイオン交換樹脂と研究などで使用されるフィルターハウジングと呼ばれるケースを利用した自作の純水装置でも1台に60Lの純水で洗車をしても¥200程度のコストです。

せめて黒いボディや黒のパーツが多い車には純水で洗車をしてくれたら、ワックスなんか使わなくてもウロコが付かずにスッキリとした黒いボディのまま納車が出来るので、このほうがよっぽど気が利いているサービスだと思います。

とにかく新車が納車される前にディーラーでワックス洗車やポリマー施工をされないように気を付けてください。